読書感想文16「半導体戦争」(物語の喪失と欲望の守護天使)

半分ぐらい読んだ感想になります。

 

この本自体は、時系列順に半導体が生まれた時(戦後ぐらい)から、現代の米中対立ぐらいまでの歴史を、日本、アメリカ、中国、ロシア、韓国、台湾などなどに場所を変えながら、説明してくれます。

 

この本を書いた人はアメリカ人のようですが、アメリカから見た半導体の「黎明期」、「順風期」、「逆境期」、「逆転期」みたいな物語で説明しようとしているかもしれませんが、私が感じたのは、アメリカですら半導体を全然コントロールできてないなあというところです。

 

「素晴らしい発明やブレークスルーをした企業が、市場を支配し帝国を築く。」このような物語も確かに存在するのですが、次の瞬間にはそれが隙となり、結局は、安い労働力でより安く作る「コモディテイ(日用品)」となっていきます。

 

資本主義とグローバル化の影響によって、マネーは世界中で形を成すことができるようになったのだと思います。しかし、それによって、歴史の必然や運命のいたずらみたいなドラマティックな展開はなくなり、マネーのオドが形を成したところが偶々SONYであったり、サムソンであったり、TSMCであるように感じます。

 

このように、ベルセルクのゴッドハンドが形を成すところを想像いたしますと、やはり資本主義は、ナメクジ使途を連れ去った(巻き込んだ?)亡者の無限の回転を想起いたします。