読書感想文24「フランス革命時代における階級対立」(カウツキーの茶色い本)※追記有

マルクス主義教皇カウツキー。

この方の本を読んでみたいと思っているのですが、

何処にもありません。書庫の中に茶色い本として眠ってる感じです。

マルクスと関係があるのか分かりませんが、読んでみました。

 

フランス革命の評価って、

①「王制を打倒して、民衆の時代が来た!ルグロ婦人素晴らしい。」みなもと太郎

②「フランス料理が一般化しただけ。自由・平等・民主のイデオロギーを信じない。」小林よしのり

このような評価は知っているのですが、カウツキーさんはどんな感じなんでしょうか?

 

以下参照です。

「一八八九年当時、流行した俗流マルクス主義、すなわち、社会の発展が階級闘争の産物であり、社会主義社会がブルジョアジープロレタリアートとの間の階級闘争からうまれるであろうことを知っただけであらゆる知識への鍵をもつことができたと誤信する俗流マルクス主義に対して ーマルクス主義が単なる公式や杓子定規におしさげられてしまおうとする危機に対して、反撃することであった。」

(やたら、革命とか闘争とか科学を掲げながら、他人を下に見て攻撃する人間が、マルクス主義者には多いようですw昔も今も変わりません。)

 

「しかもフランス革命こそはまさしく、フランス革命およびあらゆる歴史現象を客観的に考察することを可能にする歴史観への機縁をあたえたのである。そしてそれは歴史の発展の機動力を究極において人間の意欲の内に求めず、人間から独立した、否人間を支配する諸関係のうちに求めるからである。」

(すごいカッコいい文章。ベルセルク吹き出しなしの太文字みたいな文章。超越的な律ってやつですか。)

 

「歴史の発展を階級闘争に帰着させる場合、人はいつも、社会には相互に相い闘うただ二つの陣営、二つの階級、固定的な同質の二つの大衆、革命的大衆と反動的大衆とが存在し、「こちら側とあちら側だけが問題だ」と考えやすいものである。もし事実このような関係にあるものだとすれば、歴史的叙述はかなり容易なことであろう。しかし現実には事情はしかく単純ではない。社会は事態の形成次第で種々の党派に結集し得るいろいろな階級と利害とをもった非常に複雑な組織体であるし、また今後もますますそうなるであろう。」

(社会は複雑です。カウツキーさんは人間を9カテゴリーに分解して、フランス革命を解説してくれます。カウツキーさんの唯物史観は、歴史から超越的な律を探そうとする気合を感じる。)

 

追記2024/5/8

書いてから数日してからふと思ったのですが、カウツキーさんは、フランス革命について民衆・労働者が王制を倒した点は、ほめたいのだと思います。けど、ちゃんとみてみると結局、単なる災害だったのでは?(結局、ナポレオンという皇帝が生まれたわけですし。)という歯切れのよくない状況なのだと思います。(だから感想も書きづらかったです。)

カウツキーさんの目指している唯物史観唯物論というものは、ポジショントークをするのではなく、限りなく立場を超越して、真実に迫りたいということなのだと思います。しかしまあ、カウツキーさん自体が、労働者を守る側に立つ以上、フランス革命を評価する時に下々の方よりになるのは避けられないと思います。

 

いわゆる神の目や神の手というのは存在するのだろうか?

人は、泥だらけで、なんとかやっていく(うろ覚え)

 

というわけで、ベルセルク吹き出しなしの太文字でしめます。