資本主義の矛盾 資本論8

以下参照です。

「資本主義的生産は、われわれがそれを個別的に考察し、流通の過程および競争の激化を度外視すれば、実現されて諸商品に対象化された労働の取り扱いは極度に節約的である。これに反して、資本主義的生産は、他のどの生産様式よりもずっとはなはだしく、人間の、生きた労働の浪費者であり、血と肉の浪費者であるだけでなく、神経と脳髄の浪費者でもある。人間社会の意識的な再構成に直接に先行するこの歴史時代においては、人類一般の発展が確保され達成されるのは、実際には、ただ個々人の発展の膨大このうえない浪費によってのみである。」

(資本家は、生産諸手段を非常に倹約する。だが人間は浪費する。)

 

「矛盾は、もっとも一般的に表現すれば、次の点にある。すなわち、資本主義的生産様式は、価値とそれに含まれている剰余価値とを度外視して、また資本主義的生産がその内部で行われる社会的諸関係をも度外視して、生産諸力を絶対的に発展させる傾向を含んでいるが、同時に他面で、存在する資本価値の維持およびこの資本価値の最高度の増殖(すなわちこの価値のつねに加速される増大)を目的とする、ということである。この生産様式の独特な性格は、現存の資本価値をこの価値のできるだけ大きな増殖のための手段とすることに向けられている。」

(生産諸力を絶対的に発展させる→人間いりません。

 資本価値の最高度の増殖→人間いります。どうなるのこの矛盾→恐慌w)

 

『「他のすべての事情が同じであれば、一国民がその利潤から貯蓄をする力は、利潤率ともに変動し、利潤率が高ければこの力が大きく、低ければ小さい。しかし、利潤率が低下するにつれて、他のすべての事情も同じままではない。……低い利潤率は、通常、イングランドにおけるように、人口数に比べて急速な蓄積率をともない……高い利潤率は、人口数に比べて緩慢な蓄積率をともなう。」このジョウンズが、利潤率の低下にもかかわらず、”蓄積の誘因および能力”が増加することを強調しているのは、正しい。それらが増加するのは、第一には、相対的過剰人口が増大するためである。第二には、労働の生産性の増大につれて、同じ交換価値で表される使用価値の総量、すなわち資本の物的諸要素の総量が増大するからである。(以下略)』

(低い利潤率→不景気とするならば、そのような時に貯金をしたり、デフレになるのはとても理解できる。マルクスはデフレという現象も完全につかんでいた。

 

一方、現在の我々の価値基準では、デフレは悪!インフレは善!みたいな感じ?さらに馬鹿は加速して、「インフレしながら、給料はついていけない状態はよくないですねえ。」みたいな感覚は、マルクスもめまいを起こすであろう。人間は退化する。)

 

 

マルクスの本ってとても難しいのですけど、やはり、現代に生きる我々は、そうとうなぬるま湯の中で生きている感覚を持った方がよいのかもしれない。