作者は谷崎潤一郎。2次元ドリームマガジンの源流みたいな人です。
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この意見はどこかのあほの意見なのですが、ドナルドキーン先生に言わせると、
「戦争の惨禍によって、美しい日本が失われてしまう。そのような思いがあったからこそ、美しい日本をそのまま閉じ込めたようなこの小説が書けたのですね。(少し怪しい参照です。)」
という感じのようです。「美しい国」とはなんでしょう?(安倍ちゃんが思い起こされますw)
!!!ここから先はネタバレしかないです!!!
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私が本当に美しいと感じたのは、「心遣い、気配り」ですね。
行き遅れの雪子に気を使わせたくない幸子。
皆に気を使わせないようにあっけらかんとしている雪子。
雪子に負い目がある妙子。
負い目を気にかけてないよと雪子。
互いの心と心の間合いの取り合い、時にはさりげなく、時には激しく、激しく言うときも心配りとくるおしさが伴い、揺れながらもつながる信頼感。
私は本当にこの本を婚活が嫌になった人に読んでもらいたいと思っています。
ゼロか100かのデジタル思考で、マイナスが許容値を超えればぷつりと途切れる交信。このようなデジタルロボット試験とは全く異なる世界が「細雪」の中には広がっています。
細雪をラストまで読むと、妙子(こいさん)がとてもかわいそうな状況になってきます。最初に思ったのは、「なんでここまで可哀そうにするんだろう?救いがないなああ。」という感じです。(だいたいの人がそう思うのではないでしょうか?)
いろいろな理由が考えられるのですが、谷崎さんは日本的な雪子が好みで、西洋的な妙子が嫌いなんだと思います。雪子は看病が得意で、子供をあやすのが得意で、控えめな女性であり美しさもはかない感じです。逆に妙子は、手に職を持つ自立した女性であり、物まねが得意で、男性に対して積極的であり、華やかな美しさという感じです。
我々の生きている時代は、こいさんよりの時代になっているので、その辺が齟齬が出るのだと思います。(そして、私ももっと大人になれば雪子の良さがより深くわかるのかもしれません。)