読書感想文15「北一輝 もう一つの「明治国家」を求めて」

最近の読書傾向としまして、「日本の左派の歴史を探る」みたいなものが一つのテーマみたいになっております。

中江兆民が源流みたいなことは知っていた。

幸徳秋水は教科書でおぼろげに知っていた。(大逆事件は知らなかった。)

上記のようなあいまいな知識しかなかったのですが、社会主義で検索したら引っかかったのが「北一輝」です。この人は学校では習わないですよね。一言で言うと226事件の首魁です。(←実は間違っています。)

 

社会主義者で日本最大のテロリズム226事件高橋是清等とか殺された)に影響を与えた人物とは何者なんでしょう?(ちなみに226事件は1400名の青年将校が、玉を手に入れようとして蜂起した事件です。ちょっと首相がテロされただけで、すごい衝撃的でしたから、現在の我々には想像もつかないですね。)

 

以下参照です

「仏租界の陋巷に潜んで居た北君と初めて対面したのは、大正8年8月のことで、そのころ北君所持の着物は唯だ白い詰襟の夏服一着、洗濯屋に出す時は、洗濯が出来てくるまで猿股一つですまして居た。金があれば誰憚らず贅沢を尽くし、無ければ無いで平気で猿股一つになる。その双方が等しく無理でも不自然でもないのが北君の面目である。」

北一輝という人は、人によっては右翼と言われ、企業・政治家を脅迫しては大金をせしめていた。その金は贅沢な暮らしに消えた。)

 

「ああ支那に不仁の兵を用いるの時は米の正義を求むるに対して不義の戦を挑むの時。而して日米開戦に至らば白人の対日同盟軍と支那の恐怖的死力によりて日本の滅亡はキ年を出でず。」

(泥沼の日中戦争から大東亜戦争の壊滅的敗戦を予見している。)

 

 

この本は基本的には、北一輝の思想に焦点を当てていて、「純正社会主義とは!」とか「国家とは何か!」みたいなことをずっと書いていて、とても眠くなる本です。しかし、上記のようなとても人間を引き付けるミステリアスな魅力を持った人間のようです。右翼なのか?社会主義者なのか?テロリストなのか?早すぎた人なのか?天皇が好きなのか?天皇を利用したいのか?

 

そのうえこの人は義眼のようです。(漫画のキャラみたい。)

なんにせよ、日本人の社会主義というものを考えるときに、この人の思想を避けることはありえないでしょう。

教科書が教えない歴史、そのものみたいな人(テロリストの社会主義者)なのでじっくり調べてみたいと思います。