論語論語2「自分にとらわれない」

Q無職のバツイチで、85歳の母親に頼って生活しています。交通事故で腕が思うように動かなくなり、今は引きこもっています。借金もあります。会社員生活も20年ほどやってきましたが一昨年にクビになりました。28歳の息子がいましたが音信不通です。これから死なないで生き抜くために、何をどうしたらいいのかわからず、苦しいです。(57歳・男性)

 

Aあなたが「これから死なないで生き抜くために、どうしたらいいのか」なんて、わたしにはわかりません。誰にもわかりません。(中略)あなたはつらいと思うのが好きなんですよ。楽ですからね。わたしにはどうでもいいことですが。

 

やはり人生相談は面白いと思います。最近好きな人は、上記の回答をされた、高橋源一郎さんです。(中略)の部分は、一般的な人生相談回答的な部分なので割愛いたしまして、問題は、この最初と最後です。人によっては「困ってる人にこんなこと言うの可哀そうじゃないか。」とか「相談にのってないだろ。質問に答えてあげて。」みたいな意見もあると思います。私の中にもそんな気持ちがあります。

 

ここで南洲翁遺訓より参照

「”自分にとらわれない”ということが、ちゃんとできている心の状態を、孔子は『論語』で、こう表現しているね。

 

『わがままな心がない。むり強いする心がない。かたくなな心がない。独りよがりの心がない。』

 

総じて人というのは、”自分にとらわれない”ことによって、人としての大切なものを得ることができるものだし、その逆に、”自分にとらわれる”ことによって、人としての大切なものを失うものなんだよ。

(中略)

それでは、どうすれば、”自分にとらわれない”という心の状態を維持できるのか、ということだけどね……、それには、秘訣があるんだよ。人には伝わらないだろうから、と考えて悪いことを言ったり、人は見ていないだろうから、と考えて悪いことをやったり、そういうことを、けっしてしないことさ」

 

人が聞いているのに、悪いことを言い続けるものがいる。

いや逆に、人が聞いてなくても、見苦しいことはやめないといけないのでしょう。